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バリバリ伝説博物館→http://village.infoweb.ne.jp/~vaio/baribari.html ![]() *制作者の伝言板です。あなたのバリバリ伝説への熱き想いどうぞ。 |
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このページでは、カワサキに関することではありませんが、自分も昔はまっていた30代前後のバイク乗りのバイブル、しげの秀一作「バリバリ伝説」への熱き思いを胸に、勝手ながら続編を創ってみました。題して「読むバリ伝!」 はじめに →勝手なストーリです。私自身、新しいバリバリ伝説が読みたい。今、もし本家のバリ伝が復活しそうものなら本当に嬉しい限りです。でも、やはり実現しないでしょうね。悲しいけど。 だから、書いちゃった。勝手なバリバリ伝説。 このページは、バリバリ伝説についてInternet上の先駆者、バリバリ伝説博物館の館長さん、レッドゾーンさんのページと連携を取っていますが、このストーリーはまったくオリジナルであり、簡単にいうと「GTOにおける、LIVE in 北海道」のような位置づけです。ただ、自分自身、バリバリ伝説をもし、しげの秀一氏が続編を再執筆することをイメージし、残念ながら世界GP編に入ってから、連載中は人気が下がったらしいので、なるべく、人気の頂点の頃の峠での走りがまた登場するような設定を考えてみました。(おそらく、またこのような漫画が登場すると、頭文字Dのように警察が黙っていないでしょうが‥。) バリバリ伝説を知らない方 →おそらく、深田恭子が「イージーライダー」という歌を歌っても「映画イージーライダーって何?」なんてコメントをするくらいなわけで、まして、ここで「バリバリ伝説?なんだそれっ?」っていう方が多いでしょう。 事実、講談社からのKCマガジンコミックスはとっくに廃盤。若い世代には「頭文字Dのバイク版だよ。」なんてコメントした方が簡単でしょうか。この漫画は昭和58年、1983年から8年間、週刊少年マガジンに連載された青春バイクストーリーです。それこそ今、「頭文字D」で強烈な人気をほこるしげの秀一氏ですが、氏の本格的なデビュー作ということらしい。 ストーリーは、峠を走るバイク好きの高校生、巨摩郡が同じくバイク好きの友人たちに囲まれて、峠を走る街道レーサーから、本格的にレースの世界に入っていき、最終的に世界GPで日本人初チャンピオンになるまでの成長を描いた、バイクをキーワードにした、大河ドラマ的サクセスストーリーなのである。当時、中免ライダーのあこがれであったナナハンが活躍するストーリー展開、あのビデオにもなった永遠のライバル秀吉とチームを組んで戦った、感動の鈴鹿4耐逆転優勝、そして秀吉の死など、涙無くては語れない話が重なって、当時のライダーへのバイブルとまでいわれた漫画です。 恥ずかしながらも、私もバイクに乗り始めの頃、この漫画と出会って、感動雨あられの世界にひたってました。当時、バイクといえば「3ナイ運動」の真っ最中。学校では、免許を「取らせない、乗らない、買わない。」と徹底した差別の標的。しかし、その中でも暴走族と、純粋にバイクを愛する少年と、2種類のバイク乗りがあるとは、教育関係者にもわかっていても、わからないフリをしていたのではと思われる。自分も実は「オートバイ=不良」の図式を持っていたが、なぜか、バイクの魅力に取り付かれた世代です。 バリバリ伝説2〜新たなる挑戦 第一章 【プロローグ】 初参戦ロードレース世界GPで、熱烈な観衆の熱い眼差しの中、強豪YZRラルフ・アンダーソンを相手に壮絶なバトルの末、初めてのコンチネンタル・サーカスでチャンピオンとなったあの「伝説」の年から3年。 GUN BOYこと巨摩郡は昨年、パワーアップしたヤマハと宿敵ラルフ本来の好調なライディングの陰で、新型のNSRの調子も今ひとつ。度重なるエンジントラブルによるリタイヤが重なりタイトル防衛ならず、しかし総合順位3位と2年目も結果的上位で終わり、もはや彼のことを一年限りの「クレージールーキーGUN BOY」とは扱わず、本当の意味での世界最高レベルのトップライダーの一人として注目されていた。 今年から、長年連れ添ったチーフメカニックの島崎が、 「若い世代の新しいレーサーの育成と、日本全体のレース環境のレベルアップのため。」と500CC世界GPから離れたのをきっかけに、長年がんばってきた「チームシマザキHRC」から、昨シーズン中から要請があったロスマンズ・ホンダへと、仲間の太田と共々一時的との契約で移籍、今年はゼッケン「3」ロスマンズカラーのNSRで戦っていた。郡のマシンは、もちろんロスマンズのベテランメカニックスタッフと、あのHRCの「梅井」の強力なサポートにより、つねに世界最高のワークスマシンが与えられ、今年のGPもここ「鈴鹿」を残して最終戦、2位、3位まで混戦ながらも郡はランキングトップで迎えていた。 世界最高のワークスマシンと、郡の天才的ライディングテクニックの前に、今年のGPはもはやロスマンズホンダ、巨摩郡2度目の優勝!‥‥かと思われたが、最終戦レース後半、郡のNSRは周回遅れの転倒に巻き込まれれ大破、痛恨のリタイヤ。結果、総合2位に終わる。しかも、かなり派手な転倒で郡はまさかの意識不明の重体。 不本意なGP参戦3年目のシーズンが終わる。 【失われた時をさがして】 翌年。鈴鹿での事故から数ヶ月後、なんとか命はとりとめたが、転倒時の衝撃で脳へのダメージがひどく、なんとほとんどの記憶が喪失!トップ世界GPレーサだったことすら忘れ、再起不能とまで言われていた。 最愛の歩惟との新婚生活もつかの間、未だに、歩惟や友人、レーススタッフのことを思いだすもことなく、まだ半信半疑の郡。しかしなんとか郡の一時退院の日が訪れた。 友人の比呂とみいはひそかに郡の記憶を取り戻すため、ある秘密の作戦を考えていた。その頃比呂は、みいとの結婚も決まり、みいの親父さんと、イチノセレーシングクラブの協力もあり、念願のバイクショップを開店していた。はじめ比呂は、カワサキ専門店で開店したかったが、HRC梅井のおせっかい(笑)もあってHRCサービスショップ「ホンダプロス」店として、郡の人気もあって繁盛していた。 「よぉ、郡。ちょっとこっち来ないか。」 退院した郡を店につれてきた比呂は、店の奥の整備部屋に郡を案内した。 そこにはカバーがかかった一台のバイクがあった。 「開けて見ろよ。」 郡は言われたままカバーを取った。 「!?」 そこには、郡が昔乗っていたのとまったくうり二つのCB750Fがあった。 「苦労したんだぜ。今時、こんなによく回るCBなんてめったにないんだ。郡の昔の写真見て、パーツまで探して組んだんだぜ。」 「これに乗っていたのか‥。」 「さぁ、郡へのみんなからの退院祝いだ。入院してから体がなまっていただろ、少し乗ってこいよ。」 そういうと比呂は、なつかしい郡カラーリングのヘルメットを差し出した。 「今じゃ、この店で一番売れているメットだ(笑)。」 不思議と、バイクに触ると郡は昔のままの表情をした。まるで、記憶がもどったかのように‥。 「明日の朝、昔走った峠にこのCBで来てくれ。」 郡は、わけもわからず比呂に言われたとおりうなずいていた。 「おかえりグン。」「あぁ。」 郡と歩惟は、とりあえず新婚の住まいを郡のマンションにしていた。 歩惟が待つ我が家を、なんとなく心が安らぐもの、本当に自分の部屋なのかわからないままの郡であった。 「今日はパスタよ。」「あぁ。」 郡は、比呂から譲り受けたCBの鍵を眺めながらソファーに寝そべった。 (なんだか、この鍵、なんども握った覚えがあるんだよな。 でも思いだせねぇ。) 歩惟は、明るくは振り舞っているものも、自分すらまったく覚えていない郡の顔をみて、何度も悲しくなり泣き出しそうになった。 次の日の朝、比呂に言われたとおり郡は峠にCBでやってきた。 まだ、3月。春の日差しは少しづつ訪れてはいるが、やはり峠の朝は寒い。 「一応、病み上がりの身体だからな、つなぎは着てこいよ。」 レーサでない、あの頃のような姿の郡が、こうしてつなぎを着てCBにまたがっていると、比呂は遙か遠い思い出の日々が蘇るような思いでいっぱいだった。 「軽く走るから、ついてこい!郡。」 不思議と、バイクに乗ることは忘れてはいなかった。たしかに頂点で争っていた頃に比べ走りに「切れ」はないもの、やはり当然のごとながら普通のライダーよりは速く走れる。仮にも世界GPチャンプまでなった男だ。小刻みにコーナーが迫る。身体が勝手に動く。ひらりと交わし、反対に加重。フルブレーキングからスパッと寝かし込み、ターン。やはり郡だ。華麗なフォームはさすが世界GPレーサ。そんな郡の姿を、上の駐車場から見守るみいの姿があった。 「そろそろ行って。」 みいの後ろから、一台のバイクが走り出した。 クォォォン!クォォォン!クォォーン! 「!?」 郡たちの後ろにその大きな車体のバイクはピッタリついた。 そのバイクに気が付いた直後、次の大きなコーナーのインから、ものすごい勢いで郡たちを抜いていった。 「カタナだ!」比呂が叫んだ。 銀色のGSX750S、通称カタナ。 (どこかで見覚えがある‥。) 郡は、その後ろ姿にある一つのことを想い出した。 (とにかく、あのバイクはなんとかして抜かなければならない。なぜだろう‥。) そのカタナ使いは、大きな車体をいとも軽く切り返す。 無駄のないライン。ギリギリまでのブレーキング。 郡「ちくしょう!速ぇーぜ。」 確かに記憶を失っているとはいえ、世界GPレーサ。まだギコチないが、とにかく走れる。 比呂「ひやぁー、やっぱり速ぇーや。」 比呂がギブアップのサインを出して、「あとは任せる。」の一言でペースダウンをした。 クォォォン!クォォォン!クォォーン! カタナを追う郡のCB750F。しかし、いつになっても追いつけない。 かなり無理をして追う郡。エンジン音が大きくなる。CBのリアが大きくスライドする。カタナはその姿をあざ笑うかのようにウィリーして次のS字をクリアする。壮絶なバトルは終わらない。そして‥、交通量が多くなって、朝が来る。 郡のCBがあきらめたように減速する。後ろから比呂のカワサキがパッシングする。 「郡、そろそろ危ないから戻るよ。」 郡と比呂は、その朝の峠を後にした。 あの日以来、郡はあのカタナが頭から離れない。 「一体、この感情はなんなんだ‥。」 入院していたとはいえ、外傷は意外に大したことが無く、ただ転倒時後ろからおそってきたバイクのエンジンに頭部を打たれたことが記憶喪失になった原因らしい。 入院直後、HRCのお偉いさん方がやってきて、来期のことで担当医と相談していた。 「どうですか、巨摩は。来シーズンは走れますか?」 「不思議だが、体の方はなんともないでしょう。後は本人次第ですね。」 大事をとってその後数ヶ月間入院。そして退院。 退院直後の郡を待っていたのは、鈴鹿での新型NSRのテスト走行のスケジュールだった。 昨年好調だったホンダ陣営だが、新しいシーズンが来ればまた一からの勢力争いが始まる。郡は、昨年も総合2位で終わるという名実ともにトップワークスレーサなのだ。 「逆に、大事をとって休暇を取るより、今まで本人がいたレースの世界でリハビリをさせたらどうでしょうか?」担当医から言われたとおりか、HRCの梅井は郡のエントリーをはずしてはいなかった。 「おい、巨摩。久々のNSRだから軽く流せよ。新型をぶっこわしたら承知しねーぞ!」 郡のチーフメカニックでもある太田が郡のNSRを持ってきた。 太田「昨年の鈴鹿でのNSRとミッションのギア比は同じだ。まだ最終の仕上がりは出来てないが、パワーは格段上だ。下からもかなり付いてくる。まずは体を慣らすつもりで。」 郡「ありがとう。」 パァァァァアン!パァァァァアン! 周りの顔は見覚えがあるようだが、まだ郡にはわからない。ただ、NSRにまたがった瞬間郡の右手は勝手に動いた。 パァーアァン! 小さなウィリーをしながら、ものすごい勢いで郡のNSRはピットを出た。 「バカ野郎!あいつは手加減を知らないのか!最初からフルスロットルのヤツがいるか!」梅井の怒鳴り声がピットに響いた。しかし、誰もがその郡の走りにひとまず安心していた。 梅井「やれやれ。次の周からタイムを計ってくれ。」 スタンドにはもちろん、歩惟や、比呂、みい、市川さんの姿があった。 歩惟「がんばってグン!」 一人孤独に新型NSRのテストを行う郡。 2サイクルのエンジン音が鈴鹿のサーキットに響く。 久々の郡の勇姿だ。 市川「おや?もう一台走っているぞ。」 郡が走ってまもなく、最終コーナから一台のマシンが走ってきた。 それは、紛れもなくヤマハのワークスマシンだった。 みい「まさか?なぜ?」 ラッキーストライクのカラーリング。ヤマハYZR。ゼッケン1。 昨年の総合チャンピオン、ラルフ・アンダーソンだった! みい「今日はHRCの貸し切りのハズじゃなかったの?」 比呂「どうやら郡の復活を願っているのが、日本以外にもいたみたいだね。」 実は、今日のテスト走行の話を聞きつけたチームラッキーストライクのロバーツが、ラルフに話したところ、郡の病状を聞きつけ、彼本人の願いもあって非公式に来日。「一緒に走らせてくれ。」と、ヤマハの協力のもと、昨年の最終戦のウィンニングマシンを運んできてくれたのだ。 最初、新型のNSRのテストもかねているので梅井は反対したのだが、多少の仕様変更程度のNSRは特に真新しい外観もなく、ロバーツから直々にお願いもあって走らせてもらっていた。 「GUN BOY!早く、戻ってこい!」 ラルフのYZRがピットに入る。 そして、最終コーナから郡のNSRが現れた! 郡のタイムアタックが始まる。 「ん?」 時折アグレッシブなコーナリングを試みたかと思えば、ゆっくりとサスを沈めてサスの感触を確かめたり、マシンのコントロールを覚えることに専念していた。 そして、後ろからラルフのYZRが猛スピードで現れた。 いきなり背後に迫ると、最終コーナーまでピッタリと郡のNSRに突き、一緒に走っていたかと思うと、いきなり抜いてきた! 「GUN BOY! Meだ!覚えているか!」 郡の転倒により、2年連続500CCチャンピオンはラルフだった。 ラ「あの転倒がなかったら、MeはYouに負けていた。今年こそ本当の勝負をつけてやる!優勝がアクシデントによるラッキーなものだと思われたくないからな。」 テスト走行のハズが、いきなり2台の壮絶なバトルに変わった。 「あの後ろ姿。見覚えがある。YAMAHA?」 郡のドリフトも派手になり、2台の2サイクルのエキゾースが響きわたる。 自分がなぜここを走っているかもわからないまま、両手両足が勝手に動く。 その条件反射的な動きは、記憶喪失であるはずの郡すらわからないうちに動くのだ。 みい「なんで、ここにラルフが走っているのよ!」 市川「もしかしたら、郡のヤツこれで記憶が戻るかもしれないな‥。」 郡のペースがあがる。ラルフも手加減はしない。 途中までラルフが先頭を走っていたが、最終コーナーを過ぎると郡のNSRが前に。しかし第一コーナーではラルフのYZRが前に。 「この野郎。速いぜ!一体誰なんだ!」 しばらく壮絶なバトルが続いた。 太田「よしっ!」 「何秒だ?」梅井が太田のそばにやってきた。 太田「13秒台です。」 梅井「バカ野郎!あいつは帰ってきたぜ!」 ピットから声援がこぼれた。郡のベストタイムには及ばないもの、まずは復帰初めてのタイムアタックのわりにはかなり良いタイムだった。 郡は戻ってきた!あとは、その失われた記憶のみ。 郡はもう一周ほどバトルがらみのタイムアタックを試みると、あとは新しいサスとか、コーナーの感触とかもっぱらマシンの挙動を試しながらコースを走っていた。5周ほど廻った後、ピットからピットインの指示が出て、2台はそのままピットに入った。 パァラァァン、パァラァァン、パァラァァン。 郡がヘルメットを脱いだ。 ラルフが近寄ってきた。 「Hey!GUN BOY!覚えているか!」 「いや、どこの奴だが検討もつかねぇが、随分速い奴だ。」 「!‥‥。」 太田「タイムも悪くないし、大丈夫ですね。」 梅井が郡のそばに寄ってきた。 「バカ野郎!誰がGPの予選を走れって言った!まったくてめぇーは加減ってものがわかんねーんだよ!」 激怒をとばしてはいたが、反面うれしそうな笑みを浮かべていた。 (Youは本当に、Meのことを忘れてしまったのか。確かに以前と同じ速さだが、いつもの走りでは無かった。早く戻ってこい!GUN BOY‥) 「マシンは良い仕上がりだ。もう少しサスが決まればいい。後は、ミッションはパワーがある分、もう少しハイギアでもいいんのでは。」 「それだけわかっていれば上等だ。今日はこのぐらいで後はデータを集計してまた来週だ。」 「グンは大丈夫でしょうか?」 ピットから出てくる梅井のもとに歩惟が近寄ってきた。 実は、梅井は郡と歩惟の仲人でもあるのだ。昨年、シーズン入り前に大急ぎで結婚することになった二人は、入籍だけと考えていたが、 「こういったことは、両親も楽しみにしていることだし、何よりもファンのためにも。」 などと勝手に大がかりな披露宴を企画し、ガードナーやローソン、そして宿敵ラルフの祝辞が紹介される中、HRCの皆さんやロン・ハスラムに囲まれて、もちろん比呂やみい、市川さん、島崎さんなども出席し盛大な式が行われたのであった。 「走りは問題ない。あとは何かのきっかけで記憶が戻ってくればいいのだが‥。」 次のテスト走行まで時間の空いている郡は、毎朝比呂と例の峠に出かけていた。 一足先に4スト集合サウンドが朝靄の中、峠に響きわたる。 「またあのバイクか。」 キィーン! 郡の頭に激痛が走った。 (あのバイクをみると何か無性に熱くなる。一体何故なんだ!) 郡のCBが待ちきれなく走り出した。 「おい、待て!郡!」 CBのエンジン音が高鳴る。遙かかなたのカタナを目指して。 (教えてくれ!一体俺にどんな過去があったというんだ!) カタナの走りは、基本に忠実なコーナーへのアプローチ。無駄の無いライン取り。 アクセルを開けるタイミングもいい。 (うまい‥。マシンが安定している。よく思い切り寝かし込んでいるが、不安など見あたらない。) 知らず知らずにアクセルを開けてフルスロットルで攻める郡だが、このコースを良くしているのかカタナの速さは目を見張るモノがあった。 (一体何故なんだ。なぜ、あのバイクの後ろ姿に見覚えがあるんだ。) 峠も終わりになったところでカタナは、朝早い通勤の渋滞の中に消えていった。 (何かが思い出せそうなんだ‥。あのバイクに、俺は大きな借りがあるんだ。) 4月に入り、そろそろGP第一戦も迫る頃、イチノセレーシングのガレージに郡の姿があった。 市川「今年はいつもの年とは違うんだ。しっかり郡のことを頼むぞ。」 太田「郡のやつも、ライディングに関してはちゃんと感覚が戻ってきているみたいだし、まずはしっかりサポートしてきます。」 市川「歩惟ちゃんもまた一緒についていくとのことだが‥。」 太田「すっかりなれたもんですよ。パドックでの生活にもだいぶなれたし、郡の影響ですっかり日本人ライダーも増えてきたし、パドック内では楽しそうですよ。ただ肝心の郡が‥。」 郡「市川さん。このバイクは‥。」 イチノセレーシングクラブのガレージには、あの日以来、鈴鹿4時間耐久ウィニングマシンが飾られていた。 市川「覚えてないのか。それもそうだな。郡が高校の頃、友人の仲間同士で鈴鹿の耐久レースでたときのGSXRだよ。」 郡「鈴鹿の耐久?仲間同士?」 市川「あのバイクショップの比呂とここのみゆきお嬢さんがチームで、郡はこの背の低いライダーとチームを組んだんだ。」 郡「これが俺の相棒?」 郡は写真立てを手にとって、優勝記念の記念写真を眺めた。 太田「ヒデヨシっていうんだ、そいつの名。郡とは違った意味で大した奴だったよ。」 市川「久々に乗ってみるか?GSXR。」 太田「乗れませんよ、ナンバー付いていないんですよ。」 市川「そうか。あはっはっ。」 郡(こいつが俺のパートナー!?) 「そういえば、こいつは頭にくる奴だったな。」 太田「思い出したか!郡!」 「‥いや、ただそれだけなんだ。それ以外は全然駄目だ。もっとこいつのことを教えてくれないか。」 太田「郡は昔、峠を走っていたんだよ。そしてヒデヨシも走っていた‥。」 「俺がレーサーの前に峠を?」 「あれだけ一般道を無茶して走るなと言っていたのに、鈴鹿耐久の後、最後の峠だとか言って、お前とヒデヨシは走りに行ったんだよ‥。」 「そして、どうなったんだ、ヒデヨシとやらは今どこにいるんだ。」 市川「‥‥‥。」 太田「死んじゃったんだ‥。」 「!?」 郡の体に電気のような衝撃が流れた!あの日の出来事が、今、目の前で起きているかのように! 「そうか!あのカタナはヒデヨシのバイクか!」 あの日の出来事が、フラッシュバックで郡の頭の中を廻る。一つ一つが刻一刻鮮明に蘇った。ヒデヨシのカタナを追う郡のCB。そして、いつもと何かが違う予感。 「ヤバイぜヒデヨシ!止まれっつっこむなっ!」 郡がベットから飛び起きた。 ここはスペイン。郡が暮らすモータハウスの中だ。 郡は夢を見ていた。世界GP第一戦、今年もコンチネンタルサーカスが始まった。 「グン。おはよう。」 歩惟が簡単な朝食を作りながら、顔をだした。 「何か俺、今、ものすごい夢をみていたんだ。ヒデヨシっとかって奴のことを。」 「ヒデヨシ君のこと、思い出したの!」 「俺とヒデヨシの間に一体、何があったのか!」 ドンドンドン! ドアをたたく音が聞こえた。歩惟「朝から誰だろう。」 そこには島崎の姿があった。 「島崎さん!お久しぶりです!」 「巨摩の野郎は、どんな様子だ。」 実は、梅井が郡のためを思って呼んだらしい。 ロスマンズとの契約があるとはいえ、昨年の最終戦に大クラッッシュの末、記憶喪失となった郡に、スポンサーから第一エースライダーとしては不安ということで、籍はそのままだが、簡単にいうと2番手的な扱いでの今年一年の契約ということらしい。ということで、それならばメカニックも手薄になるし、長年一緒にやってきた島崎さんが、再び今年一年、郡と共にまた世界GPに挑むとしたら、これは郡にとっても記憶が戻る為の何かのきっかけになるのではと、梅井がHRCのお偉いさんを説得して呼んでくれたらしいのだ。 「この人は?」 「グンのNSRを整備してくれる人よ。グンが日本で初めて250で優勝してから、世界GPで優勝するまで一緒に戦った島崎さんよ。」 「この人が俺のマシンを!?」 「そっちは覚えていないだろうが、戦闘能力の低いマシンでよくもまぁ勝ち進んでくれたよ。今年はまたチャレンジャーだ!お互いがんばろう!」 郡の新たなる挑戦が始まった。 世界GP参戦4年目。 また再び、郡は世界の頂点に立つことができるか! そして、失われた郡の記憶は取り戻せるか? そして、あの峠のカタナは一体何者か! 新たなる伝説が、今ここに始まる。 バリバリ伝説2〜第一章・おわり 制作者の伝言板です。熱きトークバトルが待っている! あなたのご意見、ご感想をどうぞ。 (1999/09/08) バリバリ伝説2〜新たなる挑戦 第ニ章へつづく |
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