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バリバリ伝説博物館→http://village.infoweb.ne.jp/~vaio/baribari.html ![]() *制作者の伝言板です。もうあなたは走っている! カブでもなんでもいいからバイクに乗りたい! トップに戻る |
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このページでは、カワサキに関することではありませんが、30代前後のバイク乗りのバイブル、しげの秀一作「バリバリ伝説」への熱き思いを胸に、勝手ながら続編を創ってみました。題して「読むバリ伝!」 はじめに →この物語は当然ですがフィクションで、私はハクション大魔王です。実在の登場人物とバイク、世界GPの内容、またゼッケンなどは作者の勝手なことですからご了承下さい。またバリバリ伝説への賛美歌的なオリジナルストーリーですので、原作との照らしあわせは大歓迎です。 バリバリ伝説2〜新たなる挑戦 第二章 【中盤】 世界GPも、第6戦イタリアGPを終えてもはや後半を迎えた。 巨摩郡は、記憶消失という過去例がないGPライダーとしてのハンディを負いながらもここまでの成績総合第4位と、ホンダ陣営の中ではガードナーの第2位についで、まずまずの結果で進んでいた。 もちろんトップは今年もラルフ・アンダーソン。ポイントでもダントツ。郡にとってもつらい、大差がついていた。このままだと、残り7戦はひとつもノーポイントで終わることができない厳しいレース展開だった。ただ、気になるのが今年参戦したニューフェイス、アプリリアのマシンを操る、アンディ・ロッシィーニの第3位が大穴だった。250ccでは近年好調なアプリリアだったが、昨年からの本格的なGP500cc参戦、そして今年の好調ぶりはホンダ、ヤマハ陣営には驚きであった。またどのようなマシンなのか、各陣営情報が摘めないが、現時点でのレース順位結果が、その性能、チーム力を物語っていた。 「島崎さん、あのイタリアのマシン速いですね。」 「いまに、ホンダ、ヤマハっていってらんねぇ時代がくるぜきっと。」 次なるレース、フランスにむけて、移動の準備に負われる郡のチームであった。 その頃郡と歩惟は、次のGPまでの間、郡の脳波の精密検査のため日本に一時帰国していた。 郡のレース結果はまずまずなのだが、肝心の記憶がとぎれとぎれのまま、妙に焦る郡であった。ただ、歩惟については「自分にとって大切な人」という意識はあり、この半年間他人のようでも、一緒に暮らせば愛情というものが芽生え始めていた。 「ただいま。」 「歩惟ちゃんじゃないか!ひさしぶりだね。どうだい郡のやつは。」 比呂のショップに顔をだしてみたら、市川さんがいた。市川さんは、今では教育委員会の方に出向していて、結構自由が利く時間が出来て、暇をみつけてはこのショップに足を運んでいた。 「あれ、郡のやつは?」 比呂が客のバイクのオイル交換をしながら遠くからさけんだ。 「それがねぇ。病院から帰るとすぐにつなぎに着替えてバイクで出ちゃった。」 「どうなの、郡の様子は。」 「レースのことは、もうすっかり想い出したみたい。島崎さんや太田くんのことも少しだけど思いだしてきているみたいだし‥。あっ、梅井さんのことはわすれたままにしておくみたいだよ(笑)」 「すっかり、大丈夫そうじゃないか。」 「でもねぇ、市川さん。なにか、とぎれとぎれで思いだしているみたいで、自分でもこんがらがって悩んでいるみたい。郡ってあれで一人で悩むたちだから‥。」 そういって、椅子に座ろうとしたときに歩惟のミニスカートからすらりと伸びた足がはだけた。すっかり綺麗になった歩惟を見て、年甲斐もなく市川さんが珈琲を飲みながらつぶやいた。 「でも‥、歩惟ちゃんもすっかり大人の女性だね。」 「えっ?」 「いやぁ、たまにしか逢ってないから本当にビックリするよ。今度、郡にないしょで飲みにでもいこうか?」 「やだぁ!市川さんったら!」 【蘇る二人】 その頃、郡はいつもの奥多摩の峠の駐車場スペースにいた。 「おい。あれレーサーの巨摩郡じゃないか。」 「俺、あこがれてんだよな。世界でトップクラスのGPレーサーだぜ。でも、なんで日本にいるんだ。‥ありゃ偽物だよ。ヘルメットだってショップで売っているのとおなじじゃんか。」 「でも、いまどきCBだぜ。俺のVFRの方が速いんじゃないか?」 「おめぇ、速ぇ〜からな。」 郡は待っていた。 日本を出る前、ここで出会った一台のKATANAを。 「ちくしょう!俺の記憶はあのKATANAが握っているんだ!」 郡が、タンクに乗せていたヘルメットを地面におこうとしたその時、下の方から大排気量バイクの集合サウンドが聞こえてきた。 「来たっ!」 駐車場前をゆっくりと通り過ぎる一台のKATANA。そして、郡の方を向いたまま登っていった。郡は一瞬目を疑った。 「あのヘルメットっ!?」 郡は、おきかけたヘルメットを急いでかむり、CBに火を入れる。 ブォォォンッ! 「ヒデヨシだ!まちがいねぇ!」 アクセルターンで車体を回し、いきおいよく駐車場から飛び出た! 「おぃ。おっかけるぞ!」 まだ高校生くらいの先ほどの二人の2台400CCが、郡のCBを追いかける。 二人のバイクは、今流行のレーサレプリカ、マフラーを交換しているVFRと、FZRだ。 「おぃ。あの調子こいているやつをビビラしてやろうぜ。」 わざとゆっくり走っているのか、郡のCBはすぐにKATANAに追いついた。 郡のCBがパッシングする。 KATANAは、それがわかっているかのごとく、パッシングが合図のように大きなウィリーをしてフル加速した。 グォォォン!コォォーッン! 「今日こそ、追いついてやる!」 郡がKATANAのラインを丁寧に見ながら、右、左と小刻みにつづくコーナーを軽やかに交わしていた。 「おい。あのCB速えーぞ!よく、あれだけ重い750を、なんで軽く切り返せるんだ?」 「でもタイヤなんか、ずりずり滑ってるぜ。俺のバトラックスはまだグリップしてるけど、CBいいタイヤはいてねぇ〜のかな。」 KATANAの走りはあいかわらず無駄が無く、そして速い。 それに対して、郡も今年のGPをかなり消化しているのか、春よりは速くなってきている。 KATANAがバンクしすぎて、クランクケースを擦る。火花が後ろのCBまで飛んでくる。 「なんで俺のVFRがついていけねぇだ!コーナのたび遠くに行くぞ!? 所詮750は図体でかいだけで、峠では400とかが速いはずじゃなかったのか!」 「CBのやつ、フロントも滑ってるぞ!それでもなぜ転けないんだ!あいつ何者だ。俺達とコーナリングがまるで違うっ!」 峠の頂上近くまで来た。道路左わきにすこしパーキングエリアが見えた。KATANAはウィンカーを上げ、そのまま減速せずアクセルターンで切り返した。タイヤから白煙がでる。そして、今登ってきた道を今度は下りで走っていった。 郡のCBも着いた。同じようにアクセルターン、フロントが大きく上がってフル加速。KATANAのいった後を、急いで追った。 「げっ、ウィリー!CBでウィリーかよ。」 まずはVFRが来た。小さな旋回をしようとして、砂をふんでフロントが滑って転倒。カウルが割れ、あたり一面にウィンカーガラスの破片が飛び散った。 「だせぇ。」 FZRがきた。減速して、ゆっくりとまわって郡たちを追った。 「なんで高性能のFZRでCBに追いつけないんだっ!」 郡の方は下りでKATANAに離されてきていた。 「あのカタナ、下りの方が速い。それも桁補ずれに‥。しかし、ラインどりも完璧だ。ブレーキのタイミングもいい。」 郡のCBも離れはしないモノ、付いていくのがやっとだ。 「んっ?そうか!知らず知らずにあのカタナの走りに合わせていたんだ!俺のライディングとは違うんだ!俺は俺の走りをすれば良いんだ!」 郡のCBが急に元気が出てきた。カタナは安定した走りで、短いコーナが重なるポイントを切り返す。郡のCBはかなりオーバースピードだ。リアはホイルが空転しっぱなし。そのたびに白煙がリアから上がる。 「くそったれタイヤーッ!グリップしろーっしねーとカレーライスにして食っちまうぜっ!」 郡のCBが大きくガードレールに流れた! 「このタコっ!オーバースピードや!」 もう終わりかと思った瞬間!郡の右足がでた! 「ん!?まだまだっ!」 得意のガードレールキックターンだ! KATANAのすぐ後ろにまでCBが寄る。次のきついコーナが見えた。一瞬、イン側に砂が浮いてのがKATANAには見えた。KATANAは峠の基本通り、そのインを少し交わしてアウトに付いた。その瞬間、ほんの少しだがKATANAが減速した。 「そこだ!」 郡のCBがそのままインをついた! 「どアホッ!こういう時は、滑らない少しはずしたラインが速いんじゃ!」 KATANAのすぐ脇にCBが並ぶ。CBのステップから火花が飛び出る。CBはそのままきついバンクのままコーナをクリアしようとした。フロントが滑った。 普通であればそこで転倒である。しかし、スーパードリフト走行を完成させていた郡の走りには、もはやフロントが滑ろうが、リアも滑ろうが、まるで氷の上をスケートで滑っているような華麗なライン。四輪のような前後ドリフト、そして前輪のアンダーステアを立て直そすみたいに、軽く逆にハンドルを当てる。 「なにっ!?二輪で逆ハンあてる奴がおるかっ!」 コーナの出口が見えた瞬間、アクセルを全開する郡。 あきらかに、バイクは真っ直ぐ立ってストレートを向いていた。KATANAはまだバンクしたままだ。勝負が付いた。次の瞬間、ストレートのフル加速で前に出たのは郡のCBだった。 「ついに、ヒデヨシを抜いたぜっ!」 前に出るCB、それを追うKATANA。初めてみる光景だった。 次のコーナを抜けると、パーキングエリアが見えた。郡のCBがウィンカーを上げる。KATANAがそれに続く。 ボッボッボッボッボッボッ。ブォーッン! 郡がCBから降りて、ヘルメットを脱ぎながら、KATANAの方に近づいた。 KATANAもまた、サイドスタンドを出してエンジンを止めライダーが降りる。 キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!キンッ! さっきまで全開で走っていた2台のマシンから、エンジンが冷えていく音が静かに響きわたる。 「さぁ、ヘルメットをとれよ。お前だろヒデヨシ。」 KATANAのライダーがヘルメットの顎ひもに手をかけた。 小さな体を下にむいて、両手でヘルメットを抜いた。 「ひさしぶりだなっ。ノッポ。」 それは、まさしく秀吉だった! 信じられないが、死んだハズの秀吉だった。 「元気そうやな。体の方は大丈夫か。」 「さっきの走りですっかり記憶が戻った。久しぶりだな。やっとお前を抜けたぜ。」 「ノッポ。お前も速くなったで‥。しかし、あのインはタコのするこっちゃで。峠の走りちゅ〜もんまだわからんのか!砂浮いていたら、避けるのが基本やろ。」 郡と、ヒデヨシがガードレールを背にして地面に座った。 「とっころで、なんでお前ここにいるんだよ。」 「‥ノッポ。お前、インターネットやっとるか?」 「なんだ、それ。」 「ドアホっ!だからお前はタコっだっていわれるんじゃ!GPで世界中バイクで走っとるだけやから、あんな金髪ヤンキー野郎に追いつけられないんじゃ! 少しは世の中知っとけ!タコっ!」 「‥‥‥。」 「バリバリ伝説博物館っていうホームページ知らんのか。そん中に、わいがあの世で何してるか書いてるで。お前が、俺のカタナをあんとき一緒に燃やしてあの世に送ってくれたやさかい、わいはあの世でも走ってたんじゃ。」 「そうか。それは良かったな。」 「POPヨシムラはおるし、本田宗一郎にも会ったで。」 「あっ、それは俺も会った。世界GPで初めて優勝した後、日本に帰ってからチームのみんなとHRCの梅井に呼ばれて、食事したぜ。元気な爺さんでな、UFO作るって散々UFOの話聞かされたよ(笑)。」 「あの世には、他にも伝説のGPライダーがいっぱいおるで。おい、わいのカタナみてみぃ。」 「んっ。あぁ!これ1100じゃねーか!きたねっ!どうりでストレートののび違うと思った!」 「どっかのタコがな、六甲で事故ってあの世に送られてきたんじゃ。バイクも事故ると人間と同じようにあの世にくるんじゃ。ライダーの方は、かすり傷ですんどったから、このカタナはわいがもらった。しかも、本物のヨシムラチューンや。本田のおやっさんも調整してくれたんだで。」 「楽しいそうだなっ。」 「そうでもないわ‥。」 郡と久しぶりに話した秀吉が、はじめて悲しそうな顔をした。 「でたかったで‥、わいも、国内250GP‥。」 「お前があの鈴鹿の後、最終戦に俺のもエントリーしてくれなかったら、今の俺はいなかったもんなぁ。」 「ノッポ。お前と鈴鹿の8耐走りたかったで‥。それが心残りや。GPレーサも仰山でる8耐、思い出の鈴鹿や‥。あそこで、わいらのほんまもんの走りをみせたかったで‥。」 「‥ところで、お前、なんでここにいるんだよ。」 「あの世でな、お前の苦しいこと見ててな‥、身内の人間が苦しい時はこうやって出てこれるんじゃ。あのGP初参戦の年の、出場停止の時みたいになぁ。ただ、今回はもっと深刻らしいから、カタナと一緒に、こうやって峠走らせてもらったんや。ただ、他の人間には見えないハズや。」 「ほとんど、ギャクマンガだな。」 「どうせ、最初はラブコメだったんや!だいたい主役級のわいが、なんで11巻であのタコ車にひかれなきゃあかんかったのや!お前より、このモテモテのヒデヨシ様が、なんですぐ消えなきゃあかんのや!そうでなかったら、今頃、この漫画もヤンマガでまだ連載してて、とうふ屋の車がRX-7やGT-Rなんかブチ抜く漫画描いてなかったで!モテモテのわいがほんまに活躍する漫画になってたら、今頃TVでも放映や!」 「俺の方がもてるぞ!250で戦ってたときは、女性ファンからのサインがすごかったんだぞ!この間なんか、フランスからもファンレター来たんだぞ!」 「本当の二枚目っちゅ〜のは、もっとクールやで。そんな簡単にサインなどせんや!たかだか、金髪のシャンソンねぇ〜ちゃんから手紙きたくらいで自慢せぇ〜へんで。」 「‥‥‥。」 「あほくさっ。」 二人が同時に笑った。 空は青空だ、さっきのFZRとVFRが今頃やってきた。 郡の方をみて、すぐさま逃げるように走っていった。 「んっ?他の人間には見えないってことは、なんで比呂と走ったときお前のカタナが見えたんだ?」 「あれは、わいちゃうで。荻野目や。イチノセにいた。」 「あいつがっ!?」 「お前も認めたとおり、あいつの走りはわいに似て基本に忠実や。体はでかいが、つなぎ着て、ヘルメットかむれは遠目にはきづかんやろ。あのみゆきと比呂がお前のために考えたらしいで。」 「そうか、あいつらが‥。」 「まぁ、退院後、最初はお前もタコみたいな走りだったから追いつけられなかったんやが、だんだんいつもの調子出てきたんでやめたらしいが。ま、わいの真似するもの10年速いわ。」 「ヒデヨシ‥。」 「なんや、ノッポ。」 「握手してくれ。」 「なんや、恥ずかしいことぬかすなっ。」 ヒデヨシは照れながらも、グローブを脱いで郡に手を差し出した。 二人は久しぶりの堅い握手をした。 「もうサヨナラや。もうお前は大丈夫やな。」 「お前を抜いた瞬間、なにもかも思い出したぜ!」 「あのイタリアのライダー、気つけや。思ったより手強いぜ。」 「お前もそう思うか。」 「ノッポ、あの初めてのGP参戦の時のお前の気持ち、わすれるんじゃないで。あのイタリアのパスタ野郎はあの時のお前や。マシンは非力だが、走りのセンスはいいで。コントロールもうまいで。チャレンジスピリッツってやつがプンプンしてるで。ま、わいには劣るがな(笑)。」 そういってヒデヨシはヘルメットをかむると、カタナにまたがってエンジンをかけた。 「またな、もう何度も来れへんが、ピンチの時は助けに来るで。天国で残りのレース、楽しみにみとるで。本田のおやじさんも応援してるで。じゃあなっノッポ!」 左手を挙げながら、ヒデヨシのカタナはゆっくり峠に消えた。 残された郡は、どことなく気が抜けた様子だった。親友ヒデヨシとの5年ぶりのバトル。そして、初めてカタナを抜いた充実感。そして、なんともいえないこの気持ち。珍しく郡は泣いていた。そして、郡は新たな決意を胸にCBにまたがった。 「だれよりもはやく!それっきゃねーやっ!」 バリバリ伝説2〜第二章・おわり 制作者の伝言板です。熱きあの頃が蘇る。 あなたのご意見、ご感想をどうぞ。 (1999/09/11) バリバリ伝説2〜新たなる挑戦 第三章、ラストへつづく |
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